空手の競技とルールを説明したいと思います。
空手道には「形」と「組手」と呼ばれる2つの競技があります。
今日は「組手」競技について説明します。
組手
「組手」は1対1で実際に技を自由に出し合い、制限時間内に一定以上のポイント差をつけるか、多くのポイントを取った方が勝者となる競技です。
ポイントを取るには相手に蹴りか突きで「有効打」を与えなければなりません。
武道ですので、腕を振り回してたまたま当たっただけでは「有効打」とはなりません。技を適切な部位に、適切なスピードと力強さで、コントロールされている(自分の意志で寸止めできている)技が決まり、さらに技を出し終わった後に攻防に万全な状態に戻れているか(残心が取れているか)など、すべての要件を満たしたとき有効打として認められます。
「有効打」には技と当てる部位によって得られるポイントが違います。〈有効:1ポイント〉・上段(頭部)への突き・中段(首下~腰の上)への突き
〈技あり:2ポイント〉・中段への蹴り・相手の背面への突き
〈一本:3ポイント〉・上段への蹴り・足払いや投げ技で倒し、背中が地面についている相手への突き蹴り(高校生以上でないと、相手を倒すことは反則です。)
実際に技を出し合うので、安全のため厳格に反則が決められています。
上段への攻撃は寸止めです。高校生以下では少しでも当てた時点で反則ですし、大学生以上でもスキンタッチ(当たってはいるが相手にダメージはない)までしか有効打とはなりません。ボクシングのように当ててしまうと反則になります。
中段への攻撃は当ててもよいですが、高校生以下では相手にダメージがあると判断されると反則になります。
また、下段(腰から下)への打撃は反則ですし、足払いや投げ技も許されるのは高校生以上になってからです。
他にも場外に出たり、逃げ回ったり、防御姿勢をとらないことなどへの様々な反則がありますが、そこらへんはやりながら覚えていけばよいと思います。
伝統派空手の組手は、有効打が決まるたびに審判が試合を中断させ、選手を開始線まで戻らせて「赤、中段蹴り、技あり!」などと有効打の宣告をするのが特徴です。(試合の進行はフェンシングと似ています。)
組手の練習は、最初はいろいろな怖さとの闘いになりますが、その怖さを超える勇気を持てたとき、本当に面白いものになります。
実際に突き・蹴りを交える中での駆け引きや、一つ一つの技の難しさ、体の使い方など、練習すればするほどその奥深さが見えてきておもしろいです。
もちろん、実際に叩き合うわけですから危険も伴います。ですから、翔友会では組手の対面練習するときは、相手を尊敬し、練習させてもらえる感謝の気持ちを持って、「まじめ」に行うことを重要視しています。
ふざけながら行うことは、自分がケガをするだけでなく、相手にケガをさせてしまうことにつながります。子供達には、その点は厳しく指導して練習を行っています。(実際にケガをすることは本当にまれです。)
組手がどのような競技かも、言葉では伝わりにくいので、下の動画をご覧ください。
見慣れないと早すぎてわからないかもしれませんが、駆け引きが見えてくると、見ていても面白いです。
空手動画
(動画の中の選手は、公式ルールに則って、メンホーは付けずにマウスピースで試合をしています。高校生以下ではメンホーは必須です。また、市民大会レベルでは安全面を考慮して大人でもメンホーをつけて行います。)